豊胸に懸ける
「間取りを考えるということは、スムーズな動線を考えることで、これが意外に大変なことなんです」というYに、良質な住まいを提供し、快適なライフスタイルを築いてもらいたいというこだわりが示されており、″街づくり″に通じる感性を垣間見ることができる。
なるほど、商品企画になると兄弟の役目が逆転してしまうことがよくあると、いわれていることが納得できる。
いずれにしてもN兄弟は、みごとなほどの配合の妙で、どちらが欠けても、今日の「D」はないだろう。
あらゆる意味で、次元を上げるという認識から、Dは今年度から戸建て事業への進出の意志も明らかにしている。
「土地の仕入れをしていると、マンション用地にはやや狭い。
でも、その他の条件はすばらしいという土地にいくらでも出合います。
そうした土地を見逃さず、ビジネスチャンスとして昇華させていくためにも、かねがね、戸建て事業には関心をもっていました」。
Nは、戸建て事業への進出も、多年の蓄積をステップにしたものだと言明する。
戸建て事業の先陣を担うのは、小田急線の町田地域の物件だという。
新宿まで急行利用で20数分。
駅周辺には充実したショッピング街が広がっており、ファミリー層がいま、いちばん住みたい場所の一つである。
コ戸建てにおいても、お客さまのニーズがもっとも集中しているゾーンに、あらゆる意味で吟味しつくした物件を投入し、コソペティターとは絶対的な差別化をはかるという当社の戦略の基本を貫きます」。
戸建て戦略は今後も、町田の次には、R中央線の荻窪、阿佐ヶ谷、吉祥寺、西武池袋線の石神井公園、東武東上線の大山など、街が活動的であることをキーワードにピンポイントでエリアマーケティングを進めていくという。
現在、Dが提供するマンションの構成比は、ジュニアファミリー向けマンション70%、ファミリー向けマンション・億ションが合わせて30%である。
Nは、戸建て事業をこのファミリー向け・億ションビジネスと措抗する規模まで拡大していきたいと考えているのだ。
最近、景気動向に一筋の光明がさしてきた感が強いのは、中国特需もあるが、なによりも、不良債権処理の目処がつきかけてきたことが大きい。
不良債権処理をさらに加速させることは、国の再生がかかった、国家的事業だといっても過言ではないだろう。
「スカーラ神宮前」「スカーラヒルズ仙台」など、ダイナシティが手がけてきた自社開発物件でないもののなかには、結果的に、不良債権の再活性化ビジネスといえるものも少なくなかった。
ビジネス的にも大きな成功をもたらし、しかも、不良債権処理にも貢献できたことは、Dの貴重な体験として蓄積されている。
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